
こんにちは、根本寛也 (@nemotohiroya) です。

資金ショートってなんで起きるんだろう…基本的なことすぎて恥ずかしくて聞けない
と、あなたも思っていませんか?
今回は、そんな方に向けて資金ショートの構造をお伝えします。
- そもそも資金ショートってなぜ起きるんだろう…
- 初歩的なことすぎて聞くの恥ずかしいな…
- 基本をしっかり学びたい!
資金繰りの根幹の部分です。非常に大事なことですので、ぜひ最後までお読みください。
ちなみにトップ画像は、倒産ではなく「父さん」でした(笑)
資金ショートとは何か?
基本的なことですが、そもそも「資金ショート」とはどうして起きるのでしょうか?
すでにお分かりの方が多いとは思いますが、
一言でいうと…
資金ショートとは「資金が足りなくなり、支払いができなくなってしまうこと」をいいます。
これを世の中では「倒産」といいます。
決して赤字続きだから潰れるのではなく、「資金が続かず支払いができなくなるため」倒産してしまうのです。
黒字倒産とは
続いて、「黒字倒産」という言葉がありますが、これはどのようなものでしょうか?
これは「黒字(=利益を出している)を出しているけれど、資金が滞り倒産してしまう」ことを指します。
どんどん深堀していきますが…
なぜ黒字(利益)を出しているにもかかわらず、資金が足りなくなってしまうのでしょうか?
これは現金取引の会社はイメージがつかないと思いますが、「掛け取引」をしていると黒字倒産の恐れがあります。
掛け取引とは
また用語説明になってしまいますが、「掛け取引」とは何のことでしょうか?
掛け取引とは、わかりやすくいうと「ツケ」のようなものです。
お客さんと取引をし、その場でお金を支払う、または受取るのではなく、後日一括で清算することです。
受取る側の立場で考えると、売上げたお金がすぐに入ってきません。
もし他の取引で支払いを控えていると、一時的に資金を立替える必要があります。
資金がたくさんあれば立て替えるのも苦ではないです。しかし、もしお金がなかったらどうやって支払いをしよう…と悩んでしまいますよね。
で、本題に戻り話を整理しますが…
黒字倒産とは利益(=黒字が出ている)が出ている、または売上はたっているけれど、「掛け取引」により資金が入ってこないため、支払いができず、倒産(=支払えない)してしまうのです。
非常にもったいないお話ですよね。
「黒字倒産」「掛け取引」を会計視点で考えると
黒字倒産が起こる原因である「掛け取引」について、もう少し会計をまじえてお伝えします。
少し小難しい話になりますが、頑張ってついてきてください。
あなたの会社でも作成している「試算表」や「決算書」のなかに、 損益計算書(P/Lという売上や利益が載っている表)があると思います。
じつは損益計算書を作成する際に、税理士は会計のルールに従って作っています。
どのようなルールかというと…
「発生主義の原則」というものです。
これはどのようなものかというと…
収益や費用を計上するときに「現金の収入や支出のタイミング」ではなく、「収入や支出が確定した時点の日付で計上する」というものです。
これでは良くわからないですね(汗)
もう少し噛み砕いて説明すると…
例えば、「掛け取引」において商品やサービスを提供した時点で会計上は売上として計上しますが、「お金自体は後日受取る」ということです。
お金が入ってきた、もしくは支払ったタイミングではなく、商品を渡した商品を受取った時点で売上や費用を計上する
なにが言いたいかというと、「現金の動き」と「売上や費用の計上」するタイミングは ”タイムラグが起きる”のです。
これが問題なのです。
会計では、黒字か、もしくは赤字かをみるときに
――――――
収益 ― 費用 = 当期純利益
――――――
という考え方をします。
もっとわかりやすく表現すると、
――――――
売上 ― 費用 = 黒字か赤字
――――――
のようなものです。
ここで先ほどご説明した「発生主義の原則」について触れます。
売上を上げて最終的に黒字になっていたとしても、実際お金が実際口座に入ってくるのは数か月後。
そうすると、

黒字は出ていのに、資金繰りが苦しい…(´;ω;`)
という現象が起きるのです。
変な感じですが、会計と経営ではお金の動きがずれるのです。
ですので結論として、黒字なのにお金が無いということが起きるのです。
そこで資金繰りにおいて、この会計のからくりを解く考え方があります。
それが
――――――
収入 ― 支出 = 残高
――――――
です。
要は、現金の動きで捉えていれば、「あれ?お金が無い…」という現象は防げます。
この単純な式を、表にしたものが「資金繰り表」というものです。
試算表や決算書では現金の動きは捕まえられません。
会社の生命線ともいえる資金繰りを確実に実行していくためにも「資金繰り表」が不可欠なのです。
なので、掛け取引(「売掛金」「買掛金」)がある会社は、資金ショートを防ぐために「資金繰り表」をつくりましょう。
経常収支を黒字にしよう
黒字倒産は、現金の動きを捉えていれば資金ショートを防げる可能性があるので、非常にもったいないです。
ただ中小企業で資金ショートになり得る一番の要因は、やはり「赤字」です。
赤字のほとんどの理由は、「販売不振」なのです。
で、赤字が原因だった場合、「売る力」「マーケティング」を改善していくことも大切ですが、一方で中小企業あるあるなのが「支出の見直しをしていない」です。
当たり前の話ですが、そもそも毎月収入以上に支出があると現預金残高は減ってしまいます。
経常的に残高が減り(=赤字)続けてしまうと、もちろん現預金はなくなり資金ショートを起こします。
資金ショートが起こる原因の一つとして、前述した売上がたってるけど入金が遅いもありますが、そもそも根本的に無駄な支出が多いことがあります。
資金繰りが圧迫している会社に対し、資金繰りを改善する例えとして次のようなものがあります。
「沈没しそうな船(=会社)がまず第一優先にすることは、積荷を海に捨て(=支出)、船を軽くする」
これは会社でも、一般家庭でもそうですが、、、
「現金を増やす・貯める」には、まずは無駄な支出を削減できないかを検討します。
当たり前の話ですよね。
必要な経費(売上や利益に貢献する経費)は仕方ないですが、1円でも無駄な経費は出さない!という心構えが大切です。
コスト意識を持とう
ここでひとつ経費、費用を削減するために効果的な方法を紹介します。
それは「経費の勘定科目をなるべく細かく設定する」です。
例えば「消耗品費」です。
事務用品や10万円以下の固定資産など消耗品費に一括して含まれてしまいますが、これを細分化し各それぞれの物品を管理することによりコスト意識は生まれます。
例えば「コピー用紙」とか、「ボールペン」とか…
意外と無駄に費用がかかっていることに気が付くはずです。
家庭でも「保険代に○○万円払っている。高いな…」「住宅ローンを毎月○○万円払っている。借換えしようかな…」とチェックしますよね。
まずはコスト意識をつけることが重要です。
つまり、会社でいえば「費用対効果を考える」ということです。
まとめ
面倒ではあるかと思いますが、
- 資金繰り表を作ってみること
- 勘定科目を細かく設定し管理すること
を実践してみてください。
それだけで資金ショートや黒字倒産の可能性を低減できると思います。
ターンアラウンドマネジャー
根本寛也
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